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竹村 和昭

Kazuaki

パートナー東京オフィス

私にとってマッキンゼーがどういう場所か問われたら、今の私は自信を持って次のように答えます。「クライアントと一体となって経営課題を解決する醍醐味を味わえる場所であり、それと同時に驚くべきスピードでプロフェッショナルとして成長できる場所である」と。

あるクライアントとの半年にわたるプロジェクトを終えた打ち上げの席で、突然1人のクライアントの方から封筒を手渡されました。中に入っていたのは、半年のプロジェクトでご一緒した10名以上の方それぞれが書いてくださった、直筆のメッセージカードでした。プロジェクトを終えて感謝の言葉をいただく機会はこれまでにもありましたが、メッセージカードという形で、しかもこれほど多くの方からメッセージをいただいたのは初めてでした。感激すると同時に、「クライアントの課題を彼らの立場に立って考え抜いて問題解決をしていく」というわれわれのコンサルティングアプローチに対する信念が間違っていなかったと思えた瞬間でした。

私がマッキンゼーに入社した最大の動機は、ビジネスプロフェッショナルとしての成長曲線を最大化できる場所だと確信したからです。入社を最終的に決断する前に、多くの現役コンサルタントに「あなたにとってマッキンゼーとはどういう場所か」という問いを投げかけました。その結果分かったことは、それぞれのコンサルタントはマッキンゼーのよさを少しずつ違った角度で捉えていること。にもかかわらず「とてつもないスピードで成長することができる」という点で全員が完全に一致していることでした。

成長曲線が最大化されるということは、当然、コンサルタントとしてのアウトプットの水準やスピード感は非常に高いレベルで要求されることになります。新卒として前職のバックグラウンドもなく入社した当時は特に、クライアントに対してどうすればチームの一員として価値を提供できるか、悩み苦しみながら模索する日々が続きました。その結果たどり着いた結論は、「とにかくクライアントの立場に立って、彼らの課題を考え抜く」という非常にシンプルなものでした。どんなに考え抜いた分析を提供しても、それがクライアントの真の課題の解決につながらないのであれば価値がないからです。

この結論に達して以来、日々クライアントとの議論を通じて、クライアントにとっての課題は何で、それを実現するための障害は何で、その障害を取り除くために何をする必要があるのかをひたすら考え抜き、クライアントと議論をすることを続けました。すると、これまでよりも数段深いところでクライアントの課題を理解することができるようになり、結果として課題の解決もより前に進むようになりました。クライアントとの一体感、協働して問題を解決しているという感覚も強くなり、プロジェクト当初は「御社」とクライアントを二人称で呼んでいたはずが、気がつくとプロジェクトの終盤には「私達」と一人称で呼んでいることもありました。これらの経験を通じ、コンサルタントとしての私なりの価値の提供の仕方を確立することができ、その道程を振り返ってみると、驚くほどのスピードで成長している自分がいたのです。

私にとってマッキンゼーがどういう場所か問われたら、今の私は自信を持って次のように答えます。「クライアントと一体となって経営課題を解決する醍醐味を味わえる場所であり、それと同時に驚くべきスピードでプロフェッショナルとして成長できる場所である」と。

学歴

コロンビア大学ビジネススクール修士課程修了(MBA)

東京大学法学部卒業